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気がおかしい。
どうかしてるって、自分でも思った。
首輪に鎖、手枷までして。
そんな格好を人前に晒しても、少しも恥ずかしさはなかった。
なんだこれ? 私は一体何を求めているというのか。
そう、それは私がずっと前から求めていたもの。
でも、
マコトにそれを求めていいかは分からない。
期待してる?
それは、今までに感じたことのないものだった。
でも私は、それを知ってる。
ずっと心の奥で想い描いていたものをその時、肌で感じた。
この身体で、この心で、脳で、
初めて女になれた気がした。
でも私は、いけないことをしてる。
マコトには既に同棲しているパートナーがいる。
浮気、二股。
マコトは私の気持ちに応えてくれたけど、私はマコトにいけないことをさせている。
それは当人が望んだことであっても。
私は一人になったけど、マコトには公認のパートナーがいるのを知ってて尚、マコトに救いを求めてしまうのはいけないことだって分かってた。
マコトが私を本気にさせた。
でも多分それ以前に、
私がマコトを本気にさせたのかもしれない。
傷ついた心を癒してほしかった。
ぽっかりと穴の空いた心を埋めてほしかった。
誰かを守ることに疲れて、
守ってほしかったんだ。
私を。
ひょんな事からマコトと会うことになった。
今まででプライベートで会うのは初めてだった、
あくまでもお店の中だけの付き合い。
マコトがお勉強の為にとヘルスのお店を探してることから始まった。
私はそれを「お金が勿体ないから私にしとけ」と言った。
なんだこれ? 今考えたって普通じゃない。
試してみたい気はあった。
元々お店で悪戯してたんだし。その先、その続きをと。
そもそも、何回聞かれたって私はそっちの業界なんか興味ないんだから、NHのお店なんて知るかっての。
聞く相手間違えてるだろ。
そう、それは私の一つの欲求だったのかもしれない。
大きなものを失った喪失感、絶望感、無気力感。
そんな時に舞い込んできた話。
初めは乗り気じゃなかったマコトも、なんか色々と溜まってるらしい…
お互いに気晴らしになればということで話がまとまった。
知りたかったんだ。
客と嬢じゃない、お金を抜きにしたセックスがどんなものなのかを。
ヨーコとでは実感出来なかったそれを、
マコトで感じられるのかを…
お店に居た時から気にはなっていた。
妙な…というか、何とも不思議な雰囲気を醸し出してた。
それは言い換えれば魅力、だったのかもしれない。
マコトは私にとって単なる遊び道具だった。
よき弄られ役。私はイジメ役。
ストレス発散、暇潰し、玩具、
でも何の絡みもないよりはよっぽどマシ?
そんな絡みさえも愛情表現だなんて言い切っちゃう?
次第に絡みはエスカレートしていった。
そりゃあ、ヨーコにだって「浮気と一緒だ」って言われても仕方のないところではある。
それがヨーコの不満要素の一つでもあったんだろうが。
前にも言ったように、私の愛情は特別なものじゃない。
確かにヨーコという存在は私にとって特別だけど、
私が注ぐ愛は誰彼分け隔てなく常に平等なもの。決して均一ではないが。
だからヨーコが傍に居る時は控えていたし。
でもヨーコが仕事で居ない時、心にポッカリと穴が空く。
そのヨーコでは埋められない穴を満たすように、マコトで埋めてた気がする。
誰彼分け隔てなく平等な愛、
溢れて有り余る愛情を誰彼構わず振り撒くことが「浮気と一緒だ」と言うのなら、私に反論の余地なんてない。
それでも、ヨーコが嫌がればその都度やめてきた。
みかちゃんを可愛がることもやめたし、
アイリちゃんを可愛がるのもやめた。
でも、タバコとマコト弄りだけは言われてもやめられなかったんだよなぁ…
ヨーコと離れてから一週間としない内に違う人と付き合うようになった。
我ながら「手が早いよな」って思う。
でもそれはお互いに確信犯にも似た偶然だったのかもしれない。
DATE:
2011/03/20(日) 21:40
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水の想い
今でもヨーコの事を気掛かりすることもある。
でも、今さら気にしたってしょうがないだろ?
もうカップルなわけでもないんだし。
ただ私が心配性なだけだ。
別に嫌いになったわけじゃない。愛が無いと言えば嘘になる。
でも正直ヨーコの方は分からない。
今は愛情よりも失望や憤りの方が大きいのかもしれない。
そう思うと怖くなる。
私達が勤めていたお店は今ヒドイ有様だ。
何人もの女の子達がクビになったり辞めたり、
きっと気を張ってるんだろうヨーコには辛い事だろう。
「あんなクソヘルス」と毒づいては、今でもまだ続けてる。
理由は簡単さ。
仕事は波に乗ってるし、次に首が飛ぶのは自分かもしれないと思ってるみたいだけど、ヨーコはクビにはならない。
優等生だからな、暴れん坊の私と違って。
店側だって稼ぎ頭を自分から切るような真似はしない。
使い尽くされて切れた電池の私達と違って、ヨーコの電池はまだまだ満タンなんだ。
そりゃあ心配はするけどな、
でも今のヨーコには私の言葉も、想いも、聞き入れられないことだろう。
確かにヨーコは強がってはいるけど、自分の弱さを人に隠しはしない。私と違ってな。
ただ隠すことが出来ない、ともいうだろうが。
そんなあの子を誰が放っておく?
優等生で、
人当たりが良くて。
強がってはいても、その弱さが人には分かる。
そう、
私が心配なんかしなくても、ヨーコは皆から愛されているから、
私じゃなくたっていいんだ。
何となく、私の役目は終わった、
そんな気がした。
彼女にとっての私の必要性を、私自身が感じられなくなった。
そんな私の方はというと、
今、正に、こんな時だからこそ、あの子に支えて欲しかったのに…
私を見るヨーコの目、
ヨーコに求めた私の想い、
耐えられなくなったのは、私の方だ。
いつかこんな日が来ると思ってた。
本当はずっと一緒に並んで歩いて行きたかったけど、
それが出来なければ、こんな結末にしかならないことも、始めから分かってた。
元から可笑しなカップルだったんだ。
お互いが思い合う事が出来なくなれば、それまでだって、
小学生にも分かる構図。
それでも私の願いの半分は叶えられた。
ヨーコが一人でも強く生きられるようになること。
それが決して自分のおかげだとは思わないけど。
あの子はあの子自身の力で生まれ変わった。
私はただ傍でそれを見守ってただけだ。
もう半分の願い。
出来たらそんなヨーコと、
支え合うように生きたかった。
でも今更そんなこと言ったって、
しょうがないだろ?